中には勘違いして「腹筋を鍛えれば腹式呼吸が良くなって良い声になる」と、腕立て伏せや腹筋など何十回も行うところがあります。でも、これはおかしいですね。例えば、腹筋さえ強くなれば良い声が出るのなら、レスラーやお相撲さんたちがいちばん良い声になるはず。もう、みなさんもお分かりのように、そんなことはありません。正解はーーー正しい腹式呼吸をすることで、その結果として、よく使われる腹筋が強くなるということです。身近なところでは、生まれたばかりの赤ちゃんはすごい腹式呼吸なんですね。まさに、身体全体を使って「オンギヤア〜!オンギヤア〜!」って泣くでしょ。あんな小さな身体で町内中通る声で泣きます。赤ちゃんをよく観察して見ると、泣くときにお腹が大きく上下していますよね。決してノドでなんかで泣いていません。まさに、あれが、身体全体を使って腹式呼吸をし、発声している状態ですね。ちゃんと、赤ちゃんのときから、人間は本来、自分の本当の声と正しい発声法を持って生まれてきているのです。それは人間の生きる本能ですね。人間は二歳くらいまで、自分で食べることができません。泣くことでしか自分の意思を伝えられないのですから。