だから、DNA的にも、日本をはじめアジアの民族は、コミュニケーションカが低く、「話す」ということが一概に苦手で、発声もお粗末なものなのです。発声の研究で、私も世界各地に調査に出かけますが、身体全体を使って生まれ持った本当の自分の声で話すアングロサクソンやイタリア系の人達とは違って、やはり日本人やアジアの人達は、身体全体を使って話すということはほとんどありません。使っても口だけとか、上半身くらいで、とても小さく甲高い発声が多く、また、反対に力んだように低すぎる、いわゆるダミ声になる人が多いようです。結局、アングロサクソンは全身を開放し、正しい腹式呼吸が突出してうまい民族であると言えるでしょう。もちろんイタリア人もですが。さて、現代の日本の話をしましょう。IT時代と呼ばれるこんなに情報伝達手段の発達した社会で、コミュニケーションに悩む方が多いなんて不思議だと思いませんか?ボイストレーニングの教室を訪れる方は、俳優、声優、アナウンサーなど声を使うプロ系の方のほかに、会社経営、ビジネスマン、0L、教師、学生さんから主婦など一般の方までさまざまです。22年前、ボイストレーニングの教室を開講した当時は、プロまたはプロ指向の方たちが四分の三で、一般の方たちは四分の一の割合でした。しかし、ここ数年は、プロの方たちと一般の方たちが半々というのが現状です。これは声が小さい、擦れる、出ないなどと声のトラブルを抱える人がいかに多くなったかということです。声のトラブルからコミュニケーション自体に悩んでいる方が多くなったということでもあります。